B型肝炎訴訟では因果関係が必要!証明の方法をアディーレ弁護士が解説

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    作成日

    2023/07/06

  • 更新日

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    2023/07/06

目次

B型肝炎訴訟では因果関係が必要!証明の方法をアディーレ弁護士が解説
「B型肝炎ウイルスに感染した原因がわからない。この場合でも、B型肝炎給付金をもらうことはできるんだろうか。」

このようなお悩みをお持ちの方はいませんか。
B型肝炎給付金の対象者は、単にB型肝炎ウイルスに感染している方ではなく、あくまでも「幼少期の集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに感染した方(またはその方から二次感染、三次感染された方)」に限定されています。

このように、B型肝炎訴訟では、「幼少期の集団予防接種等」と、「B型肝炎ウイルスへの感染」との間に「因果関係がある」ことを証明する必要があります。

本記事では、B型肝炎訴訟において必要となる「因果関係」の証明の方法について、アディーレ弁護士が解説します。

B型肝炎訴訟では「因果関係」が必要

B型肝炎給付金をもらうためには、「一次感染者が、幼少期に集団予防接種等を受け、それによってB型肝炎ウイルスに感染した」という「因果関係」が必要です。
幼少期の集団予防接種等→因果関係→B型肝炎ウイルスに感染

どういう場合に、因果関係があると認めてもらえるの?

当時受けた集団予防接種等で使用された注射器や当時の記録はほとんど残っていません。

そのため、「いつどこで行われた集団予防接種等の際に、B型肝炎ウイルスに感染したか」、因果関係を直接証明することはとても難しいと言えます。

しかし、これでは、B型肝炎の被害者にとって酷です。

そのため、B型肝炎訴訟では、一次感染者について次の要件を満たす資料を提出できれば、原則として、この「因果関係」が認めてもらえることになっています。

・B型肝炎ウイルスに持続感染していること

・満7歳の誕生日の前日までに集団予防接種等を受けたこと

・集団予防接種等における注射器の連続使用があったこと(1948年7月1日~1988年1月27日に受けた集団予防接種等であること)

・母子感染でないこと

・その他集団予防接種等以外の感染原因がないこと

これらの要件について、次に詳しくご説明します。

B型肝炎ウイルスに持続感染していること

免疫が十分な時期(幼少期より後)に、B型肝炎ウイルスに感染したとしても通常は一時的な感染(一過性感染)に留まります。

他方で、免疫が未熟な幼少期に、B型肝炎ウイルスに感染すると、多くの場合、長期間にわたり感染(持続感染)します。

ここで思い出していただきたいのが、B型肝炎訴訟では、「幼少期に受けた集団予防接種等」と「B型肝炎ウイルス感染」との間の因果関係の証明が求められるということです。

「持続感染」していることを証明できると、「原則として、幼少期にB型肝炎ウイルスに感染したこと」を推定できるようになるわけです。

証明の方法

この持続感染を証明するためには、原則として、血液検査結果の資料が必要となります。

基本的には次のいずれかの結果が必要となります。
  • 6ヶ月以上の間隔を空けた連続する2時点における以下の検査結果のいずれか
ア HBs抗原陽性
イ HBV-DNA陽性
ウ HBe抗原陽性
  • HBc抗体高力価陽性

いずれの検査結果も得られない場合でも、あきらめずに、B型肝炎訴訟に詳しい弁護士等に相談してください。血液検査結果以外の資料も提出し、医学的知見から、B型肝炎ウイルスに持続感染していると認められる場合があります。

満7歳となる誕生日になる前日までに集団予防接種等を受けていること

2006年の最高裁判決では、持続感染化するのは、原則として6歳ころまでにB型肝炎ウイルスに感染した場合であるとされました。したがって、集団予防接種等を満7歳となる誕生日の前日まで受けていることを証明する必要があります。

「集団予防接種等」とは、地方自治体が主催したもので、集団接種の方法で実施された予防接種およびツベルクリン反応検査を指します。

証明の方法

なお、集団予防接種等を受けた時期は、原則として、次のいずれかの資料で証明することとなります。
母子健康手帳
集団予防接種等の場合、接種者の欄に、地方自治体名(市区町村(長)の名称や保健所の名称)がスタンプなどで押されていることが多いです。

中には、一般の方が見ても、接種者が地方自治体なのか判別できないこともあります。このような場合は、B型肝炎訴訟に詳しい弁護士などに相談しましょう。

予防接種台帳
各市区町村で保存しているものです。
ただし、昭和の時代の予防接種台帳のほとんどはすでに廃棄されています。
  • 「予防接種台帳に記載がない」という証明書
※満7歳までに居住していた市区町村において、予防接種台帳をまだ保存していると公式発表されていたが、実際に調べると、自身の記録がなかった場合。
母子健康手帳、予防接種台帳を提出できない場合
  • 陳述書
母子健康手帳や予防接種台帳を提出できない事情や、集団予防接種等が行われた時期、場所などを記載します。
  • 接種痕意見書
医師に所定の書式を渡して、種痘またはBCGを受けた痕が残っているか否か記載してもらいます。
住民票または戸籍の附票等
満7歳になる誕生日の前日までの、日本における住所が記載されているもの。

※当該住民票や戸籍の附票等が残っていない場合は満7歳になるまでの「戸籍の附票の不存在証明書」+「満7歳になるまでに日本に居住していたことを示す書類」(小学校の卒業証明書など)。

集団予防接種等における注射器の連続使用があったこと

国が責任を負うのは、予防接種法の施行日である1948年7月1日から、注射筒の一人ごとの取り替えが指導された1988年1月27日までの間になされた集団予防接種等における注射器の連続使用についてです。そして、この期間内に実施された集団予防接種等については、特段の事情がない限り、注射器の連続使用が行われていたものと推認されます。

そのため、この期間内に集団予防接種等を受けていることを証明する必要があります。

証明の方法

これを証明するために必要となる資料は、「満7歳となる誕生日の前日までに集団予防接種等を受けたことを証明するために用いた資料が何か」によって異なります。

母子健康手帳または予防接種台帳によって満7歳となる誕生日の前日までに集団予防接種等を受けたことを証明する場合:

接種日が1948年7月1日~1988年までの間であることが記載された母子手帳または予防接種台帳

陳述書等によって満7歳となる誕生日の前日までに集団予防接種等を受けたことを証明する場合:

戸籍(1941年7月2日~1988年1月27日までの間に出生していることを証明できるもの)

母子感染でないこと

持続感染の最も有力な原因は、妊娠中または出産時に、母から子へうつる「母子感染」です。

そのため、「集団予防接種等」と「B型肝炎ウイルス感染」との間に因果関係があることを認めてもらうためには、「母子感染ではないこと」を証明する必要があります。

証明の方法

母子感染でないことを証明するためには、原則として、次の血液検査の結果が必要となります。
一次感染者の母親が生存している場合
母親が、HBs抗原陰性、かつ、HBc抗体陰性または低力化陽性
一次感染者の母親が死亡している場合
母親が80歳未満の時に検査した、<HBs抗原陰性>の検査結果

           または

母親が80歳以上の時に検査した<HBs抗原の陰性化>かつ母親の年齢を問わない<HBc抗体陰性(または低力価陽性)>の検査結果

            ↓上記いずれもない場合

一次感染者の年上のきょうだい1人の血液検査結果(HBs抗原陰性、かつ、HBc抗体陰性または低力価陽性)

お手元に血液検査の結果がない場合でも、一次感染者の母親が生前受診したことがある病院から検査結果を取り寄せできる場合があります。

※その他、医学的知見を踏まえた個別判断により、母子感染によるものではないことが認められる場合には、母子感染ではないと認められる場合があります。(例:亡母の死亡診断書やカルテ等)

その他集団予防接種等以外の感染原因がないこと

集団予防接種等や母子感染以外にもB型肝炎ウイルスに感染する原因には様々なものがありますが、そのような他の感染原因がないことも、一定程度証明する必要があります。

証明の方法

原則として、次の資料がいずれも必要となります。
カルテ等の医療記録
  • 直近(提訴前)1年分の医療記録
  • 持続感染の判明から1年分の医療記録
  • 最初の肝炎発症から1年分の医療記録(慢性肝炎など発症者の方のみ)
  • 肝疾患(慢性肝炎など)による入院歴がある場合は入院中のすべての医療記録(退院時要約[サマリー]でも可)
※その他、満7歳になるまでの間に手術、輸血を行っていることが記録上明らかな場合には、当時の医療記録(不存在の場合には不存在証明書)の提出を求められることがあります。

※上記の医療記録が保存義務期間を過ぎて破棄された等により提出できない場合には、当該医療記録の不存在証明書を提出します。
(一次感染者の父親が生存している場合)父親のHBs抗原陰性の検査結果
父親がB型肝炎ウイルスの持続感染者である場合には、父子の塩基配列比較検査結果も必要になります。

父子感染でないことを証明するために必要です。

一次感染者がジェノタイプAeに感染していないことを示す検査結果
1995年(平成7年)以前に持続感染していたことを証明できる方は不要

ジェノタイプAeの場合、幼少期より後に感染しても持続感染することがあります。そのためジェノタイプAeに持続感染している場合、幼少期の集団予防接種等以外の原因で、B型肝炎ウイルスに感染した可能性があるということになります。

【まとめ】「因果関係」が認められるためには所定の事項をきちんと証明することが大切

本記事をまとめると次のようになります。
  • B型肝炎給付金をもらうためには、幼少期の集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに感染したという因果関係が必要
  • この因果関係を認めてもらうためには次の各事項を証明する必要がある。

・B型肝炎ウイルスに持続感染していること

・満7歳の誕生日の前日までに集団予防接種等を受けたこと

・集団予防接種等における注射器の連続使用があったこと(1948年7月1日~1988年1月27日に受けた集団予防接種等であること)

・母子感染でないこと

・その他集団予防接種等以外の感染原因がないこと

これらの事項を証明するためには、様々な書類を集める必要があります。
「なんか大変そうだしやめておこうかな」

その様に考える方もいるかもしれませんが、アディーレ法律事務所に、ご依頼いただいた場合、B型肝炎訴訟の資料収集の代行(※)から、B型肝炎訴訟、同給付金の申請まで全て代わりに行いますので、ご依頼いただいた方の負担を軽減することが可能です。
(※)母子手帳など、弁護士では収集できない一部資料を除きます。

また、アディーレ法律事務所では、B型肝炎訴訟・給付金請求に関し、着手金、相談料はいただいておらず、原則として報酬は給付金受け取り後の後払いとなっております。

なお、B型肝炎給付金の支給が決定すれば、和解協議にあたり、弁護士等に報酬を支払った方に対して、各給付金額の4%の額が訴訟手当金として国から給付されます。

B型肝炎訴訟・給付金請求に関しては、B型肝炎訴訟・給付金請求を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。

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この記事の監修弁護士

香川大学、早稲田大学大学院、及び広島修道大学法科大学院卒。2017年よりB型肝炎部門の統括者。また、2019年よりアスベスト(石綿)訴訟の統括者も兼任。被害を受けた方々に寄り添うことを第一とし、「身近な」法律事務所であり続けられるよう奮闘している。東京弁護士会所属。

大西 亜希子の顔写真
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